スタートアップトレンドセミナー

STARTUP TREND SEMINAR

CESから予想する最新のテクノロジートレンドとは

2016年1月5日〜9日、世界最大級の「家電の見本市」として知られるCES (Consumer Electronic Show) 2016が米国ラスベガスで開かれました。

今年で49年目を迎えるCESはどのような規模かというと、2015年度には世界153カ国から約17万6600人が来場し、出展社 数は3631社にものぼりました。会場はLas Vegas Convention Centerを中心に223万平方フィート(東京ドームの約4.5倍)で、全てのブースを見て回るには3日間はかかること必至です。

CESは名前の通り「家電の見本市」としてTVやオーディオ機器、コンピューターなどの家電が花形として注目を浴びてきましたが、こ こ数年IoT(Internet of Things)と呼ばれる「ネットに繋がった家電」が台頭し、また電気自動車やドローン、VRといったものまで登場してCESが扱う商品の幅は著しく拡大しています。

ここからCES 2016の中で印象に残ったトレンドをご紹介致します。

1. 未来を予感させるConnected Car

今年何と言っても注目されたのはConnected Carでしょう。Connected Carとは車がインターネットに繋がっている状態のことで、ネットと繋がって「infotainment system」とよばれる「information(情報)」と「Entertainment(娯楽)」の機能を幅広く提供することです。
例えば、ナビゲーション、位置情報サービス、音声通信、インターネット接続、音楽再生、などを指します。

CESでもAudiやFordなど、ほとんどの車はiOSかAndroidとの連携に対応してスマートフォンをつなぐだけで車の中でもシームレスなエクスペリエンスができるようになってきていました。差別化ポイントは入力の操作性でしょうか。

01

BMW i は21インチのパノラマディスプレイを手の動きを感知して操作を行うことができるコンセプトカーを発表し、注目を集めました。直感的に操作できる感覚はとても魅力的で、まさにSF映画でよく見かける光景が実現化する日も間近かもしれません。

02

CES 2016: BMW shows off gesture-controlled concept car – BBC News

Connected Carの次は、Autonomous Car(自動運転車)の技術が競うように開発されています。上記のBMW iDriveシリーズも自動運転や自動車庫入れの機能をコンセプトムービーで紹介していました。人々が足を止めてしばらく眺めていたのがTOYOTAのマ シーンラーニングでお互いにぶつからずに走行するプラモデルたちでした。走れば走るほど学習して制度が高まるそうです。

03

車に搭載されるセンサーやその収集した情報を外部とコミュニケーションする技術は日々進展を遂げていますが、予期できない人の運転や歩行者、動物な どが存在する実際の路面でセンサーの力でどこまで事故を未然に防ぎ、快適な移動体験を実現できるようになるまでの道は今後とも注目していきたいところ。

ここで役立つセンサーや、その情報を管理するクラウドプラットフォーム、また実際にブレインの動きをするAIなどを開発している企業やスタートアップは増えており、車種やブランドをまたがって同じシステムが使われているというケースもあり、業界として面白い動きを見せてくれそうです。

また次世代のエレクトロニックカー(電気自動車)も多く出展され、Teslaの競合になりうるとたった18ヶ月前に立ち上がった Faraday Futureが脚光を浴びました。Faraday Futureの強みは、目的に応じてバッテリーパックを追加削減したり、可変式プラットフォームといって基本的に同じフレームを車体デザインに応じて使いまわすことができるため、従来より自由自在に車をデザインできることです。もはや電気自動車は環境にいいという観点からだけではなく未来を感じさせるデザイン性でも人々の注目を集めるようになってきています。

Faraday Future unveils its electric hypercar — CES 2016

2. ますますコンテンツの幅が広がるVR (Virtual Reality)

新しくタッチコントローラーが登場したOculus RiftとHTC Viveはとても人気で、いちはやく体験しようと駆けつけた人の列で2時間待ちの時間帯もあるほどでした。以前はアイトラッキングやジャイロでの操作が主流でしたが、タッチコントローラーでコンテンツの幅が広がりました。例えばHTCViveではタッチコントローラーを使って3Dの絵を描いた中に自分で入る体験が出来るなど、VRならではの体験が増々魅力を増しています。

2013年頃からVRのヘッドマウントディスプレイに注目が集まりだしてから3年目に突入していく中でVRがイベントで触れられるだけではなく個人用または商用に発展していく道筋はどのようなものになっていくのでしょうか。

04

Trying out the HTC Vive & Oculus Rift – NVIDIA CES 2016

3. B2Bでも様々な活用法が見いだされるDrone

大小さまざまなドローンが登場し、各ブースのデモエリアには多くの人が足をとめて写真を撮る姿が見受けられました。ドローンは話題に登った当初のようなただスマホから操作が可能なラジコンではなく、様々な用途が開拓されてきています。高画質のカメラを搭載しビルなどの撮影に適したもの、羽の棄損を防ぐため周りにボール状の骨を巡らせて細い路地も入って撮影できるように進化したものから、宙返りもできる小型で操作性のあるものまで。今までは調査や撮影のために人間がリーチしづらかった高い、狭い、危険な場所や、既存の方法ではとてもコストがかかっていたところを、これらのドローンの出現でより手軽に比較的にコストを抑えてできるようになってきていることがよくわかります。

例えばParrotというフランスの無線通信プロダクトの会社の子会社、senseFLYのeXomというドローンは様々なセンサーを搭載し、電線などの熱を感知したり、壁との距離を測りながら飛行し、田んぼやダムなどの状況をリアルタイムで観察したり、撮影したものを使って後々3Dモデルを作成したりすることができます。

05

eXom Drone – Put the Future to Work

実際に飛ばしてみるととても楽しいドローンですが、日本ではまだ規制の対象で、一般個人が外で飛ばすことは認められていません。テクノロジーの進化とともに規制も進む中で、どのように実用化が進んでいくのか注目していきたいところです。

4. 360度 Camera

リコーのシータが360度カメラのコンシューマー市場を先取りしたかのように思えますが、今年のCESでは様々な360度カメラが出展され、注目が集まりました。

例えばこの360cam。Kickstarterで約4000人から1.4億円のファンディングを受け、現在プロダクションのフェーズに入っている360度カメラです。3方向にカメラが付いており、360度の写真、動画が撮れるようになっています。防水なのでアクションカメラとしても機能し、底に電球ソケットの形のアクセサリを装着すれば防犯カメラとして ライブストリーミングすることもできます。形がユニークで馴染みやすいかもしれません。

06

World’s First Full HD 360 Camera || KickStarter

まだ360度の写真や動画を撮ってもその魅力を十分に楽しめるアウトプットのプラットフォームが十分に充実していませんが、これからはどんどんARやVR、360 Videos on Facebookのようなところで楽しめるようになっていくのでしょうか。

5. もちろん家電といえば TV

07

もう自宅にテレビを持っていない若者も多いと聞きますが、やはり家電の大様といえばテレビのようです。「大きい」「高画質」「カーブ」がキーワードで、LGやSUMSUNGなどの韓国勢が大型の展示を行っていました。

8Kテレビというものが登場し、会場ではその画質の綺麗さを確かめようと多くの人が目を凝らしていました。実際にどのくらいキレイなのかというと、8Kテレビは7,680×4,320/約3300万画素で、画素数でいえば8Kテレビは4Kテレビの4倍、2Kのハイビジョンテレビの16倍ということになります。8Kテレビは実物と見比べたときに違いが分からないほど高精細で、85インチの巨大サイズの場合、テレビから70数センチの距離から見ても光の点が見えないレベルだそうです。

日本では、総務省の計画では、NHKは2016年に8K放送の試験を始め、正式の8K放送開始が2018年とされているそうです。2020年の東京オリンピックで8K放送を行う目的のようです。

すでにテレビの画質に不満足な人はいないほど進化してきたテレビですが、どこまで高画質化への挑戦が進むのでしょうか。それに伴って、その8Kで放送できるコンテンツを制作する必要もあるので、今までと同じコンテンツではなくリアリティが高まったからこそ楽しめる新しいコンテンツの出現に期待したいところです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。CESは日本企業も多く出展され、日本から参加された方も多かったと思います。あなたの一番印象に残ったトレンドは何でしたか?

このCES一回の展示ではなく、継続してその商品やテクノロジーがどのように進化し、商用化されていくのかをウォッチしていきましょう。

(山田偉津子 / Innovation Project Manager btrax,Inc.)

【参考記事】
2015年CES、独立監査による来場者数が17万6676人と過去最多に(BusinessWire)
8Kテレビとは何か|8Kテレビについての知識を詳しく紹介する(5K player)

btrax (ビートラックス)とは

btraxは米国サンフランシスコに本社、東京にもオフィスを構えるクリエイティブ・エイジェンシー。これまで多くのアメリカ・国際企業に対してブランドコンサルティングサービス及び日本企業の国際展開とイノベーション創出サポートを提供。こちらからお問い合わせ下さい。

またbtraxはデザインをメインにしたコーワーキングスペース、D.Hausを開設致しました。D.Hausは デザイン的視点から日本企業と地元のスタートアップがコラボレーションを行うことを目的に、2015年10月1日よりサンフランシスコに開設されているオフィススペースです。単なる作業スペースだけではなく、最新情報の提供やメンターシップ、イベントを通じ、ヒトと技術をデザインで繋ぐ事により、イノベーション創出の為のプラットフォームを実現します。こちらには崇城大学も入居しています。
D.Hausのご利用により敷金、礼金、保証金無しでサンフランシスコにオフィスを持つ事が可能です。詳細、資料請求等は公式サイトまで