スタートアップトレンドセミナー

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これから期待されるAI系スタートアップ5選

AIに関して様々な論争が起こっているのは旧知だろう。賛成派からすれば、AIはテクノロジーの進歩において当然であり、次世代のテクノロジーの象徴である。一方反対派はというと、AI技術の推進のそれは単に人類が神に近づこうとするといった、過ちである。

しかし、両者の熱心な論争が起こっているにも関わらず、現実社会ではAIは前進し続けている。IBM Watson とWolfram|Alpha といったツールが成長していることからも簡単に想像がつくだろう。

しかし、AIマーケットを増築させているのは、上記のような歴史ある大企業だけに留まらず、スタートアップにもいえる。たとえば、GoogleやFacebookは何百万ドルもかけて投資を行いAI分野でトップの名をもつスタートアップをいくつも買収し、独自に保有するデータを開発に利用している。

GoogleはDeepMind Technologiesを2014年初期に獲得し、Facebookは同時期に音声識別技術をもつWit.aiを獲得するなど、とにかくスタートアップの競争にとってもAIは重要な核となってきているようだ。

企業がここまでAIに注目する理由は、AIならではの圧倒的な強さがあるからだ。その強さとは、様々な業界を越えた活躍が期待されうるということ。これは、潜在的に上限のない利用法、利用者数を獲得しうるということで、優れたAI分野のスタートアップは新たなテクノロジーを既存市場にもたらし、現在の働き方や暮らし方の常識を覆すパワーを秘めているのだ。

そんな中、2015年注目を集めたAI分野でのスタートアップはいくつもある。その中でも、最も成長が期待される5つのスタートアップをまとめた

1.The Grid

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SquarespaceやWordpressなどのテンプレートに並行して、webサイトづくりは依然として大量の労力とインプットを要する。そんな中、The GridはAIをつかってWebサイトを作り上げ、最適にカスタマイズすることを可能にさせようとしている。つまり、それはパーソナルウェブサイトディベロッパーになりえるということだ。

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独自のデザインを生み出すことはまだ出来ないが、それに行き着くまでは、The Grid 私有のアルゴリズムをつかい、アップロードしたメディアを分析したり、継続的に利用していたカラーパレットを使用したりしてデザイン面を補っている。

またコンプリメンタリーカラーにも注意を払っており、ユーザーがより読みやすくなるような配色にするなどの工夫も施される。これだけではない、驚くべきことにThe Gridは期間限定のコンテンツを提案や、自動的なA/Bテスティング、plug-and-playのe-commerceに至までを提供する。

このAIでウェブサイトをデザインしてしまうThe Grindを作ったのはシリコンバレーの数々の有名なテック企業で働いた経験を持つエンジニア達だ。クリエイティブディレクターのLeigh Taylorはthe Grindに参画する前はMediumのポスト編集画面のデザイナーだった。また、The Grind共同創始者兼チェアマンのBrian AxeはGoogle Adsenseのクリエーターの一人だった。創始者でCEOのDan TocchiniはGSS (Grid Style Sheets)のクリエーターで、インタラクティブデザインをAudiやMicrosoftなどに提供している。

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公式サービス紹介ビデオ:
The Grid – AI Websites That Design Themselves

2. Enlitic

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Enliticはディープラーニングと画像分析を駆使して、医師の診断書作成や医療画像内の異常発見の補佐技術を提供するスタートアップだ。例えば、Enliticは X-rays, MRIs, or CT scansの医療画像のデータをもとに個別の傾向分析ができる。

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この企業は何社かのテックスタートアップに投資してきたJeremy Howardがfounder and CEOだ。「医療診断はデータの扱い方が大概の問題の原因だ。レントゲンの画像処理、ラボでの試験結果、患者の今までの病気や処方された薬の履歴など、全 ての情報を考慮して診断を下したり医療行為を行わなければならない。」と彼は問題提起している。それに対して、20年以上も医療業界での経験がある Howardは、マシーンラーニング、特にディープラーニングを活用すれば、それらの大量の情報をコンピューターが処理し、そこに見えるパターンを明示したりインサイトを提供してくれることでより正確な判断が短時間でできるようになるとし、医療診断が劇的に変わりうると期待している。

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Enlitic founder and CEO Jeremy Howard

Howardが経営するReddit AMAによると、除外されたデータサイロは最も主要な医療技術発展のための障壁の一つだ。彼の会社はそういったデータをその手のプロにより早く伝える可能にすることを目指している。

3. MetaMind

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2014年12月中頃、MetaMind はKhosla Ventures と Salesforce’s Marc Benioffによる投資800万ドルで活動を公式に開始した。MetaMindのテクノロジーは”recursive neural networks” という感情分析や画像分類のディープラーニングを推進させるものがベースになっている
MetaMindの画像分類というのは、ユーザーが画像をアップロードしたら、Metamindがその画像の主題を伝えるというドラック&ドロップツールだ。

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つまり、もしハンバーガーの画像をアップロードしたとすれば、あなたがハンバーガーについて探しているということを伝えてくれる。それに加えて、テキスト文章の感情分析の役割も果たす。たとえばツイートされた文章がポジティブなのか、ネガティブなのか、またどちらでもないのか等、それらを主尾よく分類するというのである。MetamindのAPIにはコチラから無料で登録することが出来るので、参考までにみても良いかもしれない。

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Founder & CEOのRichard Socherはマシーンラーニングやディープラーニング、自然言語処理などのリサーチと応用が専門。2011年にはthe 2011 Yahoo! Key Scientific Challenges Awardを始めいくつか賞を受賞するなどの経歴を持つ。

4. X.ai

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あなたは度々のスケジュール変更にイライラしたことがないだろうか?あるとするならX.aiはそれを解決してくれる最高のパートナーになるだろう。X.aiは自分の代わりにメールを通して行なわれるスケジュール変更を全て管理してくれるAIアシスタントだ。どのように使うのかというと、至ってシンプル。

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CCに”Amy”と付け加えるだけ。
それだけで、彼女があなたの変わりに、時間や場所にいたるまで、全てを交渉してくれるというのだ。さらに、決定されたイベント日程などの情報は、必要な人全員にメールの招待状を送ってくれるというのである。

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ニューヨークに拠点を置くこの企業は、力強い投資家によってバックアップされ、今ではクローズドβである(テスト段階)。サインアップすれば利用は出来ないものの、あなたの名前はウェイティングリストにのる。

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Founder & CEOのDennis Mortensenはビックデータ分析に関連するサービスの起業家として知られている。X.aiの前にはVisual Revenueという会社を起業しOutbrainに売却、またIndestoolsをYahooへ、Canvas InteractiveをTJ Groupへ売却した経歴を持つ。

2014年5月にシード投資を受けてからX.aiを使いたいユーザーのウェイティングリストは増加し続けている。

X.aiは社外の商談が中心なビジネスマンにとっては、日程調整によって発生する無駄な時間を削減することができるため、便利なサービスになるだろう。

5. Sentient Technologies

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Sentient Technologiesは、 それほど新しいスタートアップというわけではない。しかし、ここ最近、2014年後期のシリーズCの資金調達の段階に入ってから急に注目を集めた。というのも、実在するものの中でもっとも高いデータ処理能力(知性)をもつシステムを大規模な拡大を可能にする目標と供に構築したからである。

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彼らのコンセプトはユーザーに、ダーウィンの進化論。AIがより適切な結果を提供するために、自動的に学び、そして順応するというのだ。

具体的にどのような例で利用されているか見てみよう。SentientがShoes.comという靴のオンラインショップと提携したケーススタディの動画がこちら。
Shoes.com & Sentient — World’s First AI Powered Shopping Experience

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Shoes.comによると、近年カスタマーはオンラインで出来る限り多くの品揃えを取り揃えていることを魅力に思う一方、自分が欲しいものをどのように探したらよいのか困っているという。欲しいものを探すのにサーチボックスにキーワードを打ち込んだりする必要はもうない。商品の写真を見て「こんな感じのものが欲しい」とタッチしていくだけでAIが好みの種類を認識し、検索結果を絞って表示してくれる。

企業ホームページによると、それら全てのAIエンジンは別々のCPUs(中央演算処理装置)で動作しているという。またそれは、何百万という企業に利用される見込みだという。

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Founder & CEOのAntoine BlondeauはAIのパイオニアと呼ばれている。彼は以前AppleのSiriの基礎となる技術を開発していた経歴を持ち、投資家やディレクターとし ても多くのスタートアップや大企業と仕事をしてきた。彼のAIに関する知見やビジョンはメディアでも注目されている。

まとめ

人工知能やAIと聞くと、なにかSF映画や遠い未来の事の様に感じるが、実はすでに私たちの生活の中でも利用されている。洗濯機や掃除機等の自動化が進んでいる家電、暗くなると自動的にライトがつく自動車、利用する度に使いやすくなるスマホなど、ちょっとしたAIを活用している製品は多い。

今後は、これまでテクノロジーとの距離が遠いと思われていた農業や医療、食品などの業界にもこのトレンドは普及し、世界的な人材不足やコストの問題を改善していく事が予想される。数年以内にサンフランシスコやシリコンバレー地域のスタートアップが現在開発している新たなテクノロジーの幾つかが、日本の人々の生活に直接的な効果を及ぼす事になると思われる。

(山田偉津子 / Innovation Project Manager btrax,Inc.)

【参考記事】
The Grid参考記事
http://thenextweb.com/dd/2015/07/31/this-is-what-the-grids-ai-website-builder-looks-like/#gref

Enlitic Websiteより一部抜粋、founder 写真
http://www.enlitic.com/

btrax (ビートラックス)とは

btraxは米国サンフランシスコに本社、東京にもオフィスを構えるクリエイティブ・エイジェンシー。これまで多くのアメリカ・国際企業に対してブランドコンサルティングサービス及び日本企業の国際展開とイノベーション創出サポートを提供。こちらからお問い合わせ下さい。

またbtraxはデザインをメインにしたコーワーキングスペース、D.Hausを開設致しました。D.Hausは デザイン的視点から日本企業と地元のスタートアップがコラボレーションを行うことを目的に、2015年10月1日よりサンフランシスコに開設されているオフィススペースです。単なる作業スペースだけではなく、最新情報の提供やメンターシップ、イベントを通じ、ヒトと技術をデザインで繋ぐ事により、イノベーション創出の為のプラットフォームを実現します。こちらには崇城大学も入居しています。
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