起業のための
ファイナンス入門

FINANCE

4.具体例を交えた解説

①貸借対照表の数値例

図表は、簡単な貸借対照表の例です。

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順番にみていくと、この企業は流動資産として、現金158,000円、売掛金(販売後・入金前)80,000円を有していて、固定資産として機械装置80,000円を有しています。流動負債としては、買掛金(仕入後・支払前)が50,000円、仕入れ以外の未払金が5,000円あります。固定負債としては長期借入金が160,000円ある状態です。長期借入金は利息を支払う必要のある負債ですので、有利子負債160,000円がある、ということもできます。純資産として、株主の出資金(元手)が100,000円と、事業の成果(過去の蓄積)として3,000円の利益剰余金を有しています。

流動資産と固定資産を合わせた資産合計は計算すると318,000円になります。一方、負債と純資産を合計した値も318,000円となります。このように、作成された貸借対照表は常に資産と負債・純資産の合計が一致します。

②損益計算書の数値例

損益計算書は、繰り返しになりますが貸借対照表の利益剰余金(事業の成果の過去からの蓄積)の一定期間の増減要因を示すものです。前出の貸借対照表の数値例でいえば、利益剰余金3,000円の増減要因を示したものが損益計算書です。

図表は損益計算書の簡易数値例です。利益剰余金の前期末は「ゼロ」だったと仮定してみてください。そうすると、貸借対照表の利益剰余金の増加額(ゼロ⇒3,000円)の説明がなされているという風にこの損益計算書をみることができます。

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高津 輝章(こうづ てるあき)

株式会社 日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 シニアマネジャー/公認会計士

一橋大学大学院商学研究科経営学修士課程修了後、株式会社日本総合研究所入社。
入社以来一貫して企業の成長戦略に関連したコンサルティング業務に従事。新規事業立案・推進、経営計画の策定、事業・組織再編、M&A戦略立案、資本政策検討などのテーマで活動している。
ベンチャー企業の設立を目指す若手起業家・企業内の次世代経営者を対象とした育成プログラム運営も行う。

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