起業のための
ファイナンス入門

FINANCE

3.損益計算書の基本

①損益計算書の意義

損益計算書(P/L)は、「ある期間の収益と費用、及び収益から費用を引いた利益額」を示したものです。簡単にいうと、「ある期間に儲かったかどうか」を表したものです。
「ある期間」ですので、例えば一年間(3月31日決算の企業であれば、X1年4月1日~X2年3月31日までの一年間)の業績について損益計算書を作成することになります。四半期や月次単位で作成することもあります。貸借対照表との関係では、「ある一定期間における貸借対照表の利益剰余金の変動要因」を示したものが損益計算書である、と言い方もできます(実際には配当金の支払いによる利益剰余金の減少などは損益計算書には表しませんので厳密にいうと利益剰余金の変動要因を全て表すことはできません)。

②損益計算書の構成

貸借対照表に比べると、損益計算書はより感覚的に理解できる財務諸表といえるかもしれません。それは、売上高(収益)から費用を差し引いていって、残りが利益、という構成になっているためです。ただし、様々な利益の名称が出てくるので、それぞれの利益がどういう意味を持つのかを押さえることが重要です。

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まず売上から原価を引いたものを「売上総利益」といいます。これは商品、製品を売ることによる純粋な儲け部分を指します。売上総利益のことを粗利(あらり)と呼ぶこともあります。

次に、売上総利益から、管理費や営業にかかるコストである販売費及び一般管理費を差し引いたのが「営業利益」です。利息の支払なども含む営業外の収益、費用を加味する前の利益ですので、「事業が稼ぐ力」と読み替えることができるかもしれません。

営業利益に営業外収益を足して、営業外費用を引いたものが経常利益です。営業外の収益・費用は多くの項目が金融活動に関するものです。例えば、営業外収益は保有している有価証券から得られる収益などから成りますし、営業外費用の代表例は銀行などに対する支払利息です。したがって、経常利益は金融活動も加味した利益、といえます。

その他に、固定資産(例:長年保有していた土地)の売却など、毎期は発生しない取引による損益である特別利益、特別損失を加味して、税引き前当期純利益が算定されます。そして最後に法人税のコストを控除したものが「当期純利益」となります。この当期純利益は、株主に帰属する利益であり、貸借対照表の「利益剰余金」のもととなる利益です。

③減価償却費

損益計算書に出てくる費用の中で、「減価償却費」という項目があります。これは、長期に渡って使用する固定資産のうち、ある期間に認識した固定資産の価値の減少分のことです。主な計算方法としては、毎期一定額ずつ償却していく定額法と一定率ずつ償却していく定率法があります。例えば定額法で取得価額100万円、耐用年数(使うと見積もられる年数)が5年であれば、年間の減価償却費は20万円(100万円÷5年)となります。