起業のための
ファイナンス入門

FINANCE

2.貸借対照表の基本

①貸借対照表の構成

貸借対照表は一時点における企業の保有する「資産」とその資産の調達源泉・帰属先である「負債・純資産」を表した書類です。一時点というのは、例えば決算期末(日本においては多くの企業で毎年3月31日が年度の決算期末です)時点を指します。 貸借対象表は概念的には左側(これを会計用語で借方といいます)に資産が記載されていて、右側(同様に貸方といいます)に負債と純資産(初期的な理解としては株主の持分=株主資本と考えてよいです)が記載されています。「概念的には」というのは、必ずしも左右に分かれて記載されていないケースもあるからです。そして、重要なこととして、資産の合計額と負債・純資産の合計額(つまり左右)は常に一致する仕組みになっています。左右がバランスするため、英語ではBalance Sheetと呼ばれています。

*

②資産の部

資産の部は大きく流動資産と固定資産に分類されます。
流動資産は感覚としては「現金・預金に近いもの」です。具体的には現金・預金そのものや、短期的(一年以内)に現金化するもの、近いうちに販売するもの(いわゆる在庫)などが該当します。一年以内に現金化するものの代表例で「売掛金」というものがあります。売掛金は商品やサービスの提供は完了しているものの、まだ受け取っていない対価のことです。お客さんがクレジットカード払いをした場合などを想像すると分かりやすいかもしれません。これらは、近いうちに入金されますので、流動資産となるのです。

*

一方、固定資産は1年以上経ってから現預金化する資産、又は資産としての価値が当分ゼロにならない(部分的にしか費用化しない)資産のことをいいます。代表例が土地や建物、機械設備などです。これらは、長く使用し、少しずつ収益を得ていく(逆に言うと、少しずつ費用になっていく)ものですので、固定資産になります。

*

③負債の部

負債の部も同様に流動負債と固定負債に分類されます。基本的には、短期的(1年以内)に返済・支払を要する負債か否かで分けられます。流動負債は商流(モノの仕入れ)に伴って発生する負債である買掛金(売掛金の逆)や、1年以内返済期日の借入金などが該当します。一方、固定負債は返済期日が1年超の借入金などが該当します。ところで、一般的に買掛金や未払金は利息がつきませんが、銀行からの借入などは利息がつきます。こうした、利息を支払う必要のある負債を「有利子負債」と呼びます。

*

④純資産の部

純資産は、基本的には「株主の持分」です。株主の持分は、元手である株主の出資金(これを資本金・資本準備金と呼びます)と、事業を運営した結果としての価値の増減分(これを利益剰余金と呼びます)から成ります。株主に帰属する以外のものも純資産の中にはありますが、初期的な理解としては株主の持分に関する部分を優先して構いません。

*