起業のための
ファイナンス入門

FINANCE

4.資金の出し手の見返り

ここまで見てきた資金の出し手のうち銀行とベンチャーキャピタルを例にとって、資金の出し手の立場から資金調達について考えてみましょう。 銀行は企業へ貸し付け(融資)を行いますので、立場としては「債権者」となります。貸し付けた資金は予め定めた利息を含めて元本とともに回収しますので、融資先が倒産しない限り決まったリターンが得られるということになります。
一方、ベンチャーキャピタルは(多くの場合)株式を投資する形態を取りますので、立場としては株主となります。株主は原則として予めリターンを定めることはしませんので、利益がでない限りリターンは得られません。その代わり、投資先が大きく成長した場合には莫大な利益が得られます。また、出資金は原則として払い戻されず、株式(権利)を他人に譲渡して回収する、という点も融資とは異なります。

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まとめ

ここまでの、資金調達の種類と資金の出し手、それから資金の拠出方法(融資か投資か)を整理したのが下図です。

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スタートアップ/ベンチャー企業は多くの場合十分な信用力は有していないため、まずは政府系金融機関の制度融資や、クラウドファンディング、ベンチャーキャピタルなどを通じて資金を調達し、事業を拡大していくことが求められるといえます。

高津 輝章(こうづ てるあき)

株式会社 日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 シニアマネジャー/公認会計士

一橋大学大学院商学研究科経営学修士課程修了後、株式会社日本総合研究所入社。
入社以来一貫して企業の成長戦略に関連したコンサルティング業務に従事。新規事業立案・推進、経営計画の策定、事業・組織再編、M&A戦略立案、資本政策検討などのテーマで活動している。
ベンチャー企業の設立を目指す若手起業家・企業内の次世代経営者を対象とした育成プログラム運営も行う。

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