起業のための
ファイナンス入門

FINANCE

2.資金調達の種類

調達資金の種類は大きく分けて「運転資金」、「設備資金」、「赤字資金」の三つです。以下、それぞれについてみていきます。

①運転資金

運転資金とは、給与の支払い、家賃の支払いなどの「日々の事業継続に必要な資金」です。全ての取引が現金で行われていれば、(事業が黒字である限り)日々の費用の支払もできるはずですが、実際には必ずしも売上は即時に現金でもらえないこともあるなどの理由から、運転資金の調達が必要になるケースがあります。理由の説明できる日常資金の不足額を「所要運転資金」といいます。必ずではありませんが、所要運転資金は合理的な資金の不足部分ですので、資金調達可能な金額であるといえます。
所要運転資金は図表のAとBを足したものからCを引いた値となります。

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②設備資金

設備資金とは、機械・建物などの設備への投資に必要な資金のことです。投資額が大きくなるケースもあり、その際には資金調達が必要となります。設備投資は、多くの場合中長期的な収益へ貢献するものですので、調達した資金も将来の収益から少しずつ回収・返済していくことになります。そのため、資金の出し手としても、きちんとした将来計画があるか、担保になる資産はあるかなどをチェックします。

③赤字資金

赤字資金とは、そもそも事業収支が赤字であり、流出する資金を補うために必要な資金のことです。
赤字資金は、純粋損失型と先行投資型に分かれます。純粋損失型は事業損益が赤字で、今後も改善の見込みが不透明な状況が該当します。この場合には、なかなか資金の出し手を見つけるのは難しいでしょう。当該事業が社会的な事業であれば、寄付者を見つけるなどして、事業継続に必要な資金を賄うことができるかもしれません。
一方、先行投資型は、将来の事業拡大のために支出している費用が原因で赤字になっている状況が該当します。その事業の将来性が認められれば、この類の赤字資金を補填してくれる資金の出し手が見つかる可能性は大いにあるといえます。

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先行投資型の代表例として米国のアマゾン・ドット・コムがあります。彼らは、イーコマースの利便性向上のためにシステム、物流施設などに対して多額の資金を先行的に投じたため、創業以来長らく赤字が続いていました。しかし、彼らのビジネスモデルは明確だったため、赤字が続いていても、投資家から十分な資金を集めることができたのです。